「グッチョ」リニューアルに向けて

座談会-個性を活かしたメディアから、関わり合ってつくる共創のメディアへー

2025年秋、久留米の地域福祉マガジン「グッチョ」が生まれ変わります。今までのグッチョに込めた想いを聞き、今後、進むべき方向性を考えるために、久留米市地域福祉課、久留米市社会福祉議会と久留米AU-formal実行委員会、そして、前編集長の秋山フトシさんと共に、座談会を開催しました。

日常の地続き感の中で、様々な活動を取り上げたい

秋山:グッチョというのは、"作りぐっちょ"など「〇〇し合う」という意味を持つ筑後地域の方言です。人口減少社会の中、様々な人々が関わり合う地域共生社会を目指すにあたり、何かを一緒にし合うという関係性や場、そういう想いをもつ人が増えていくことが、目指す社会に近づくと考えました。グッチョでは、高齢者や障害者などの属性にとらわれず様々な活動を取り上げてきました。それらは特別なことではなく「自分たちの地域の中で起こっていることなんだ」と日常の地続き感の中で捉えてもらえるように心がけました。

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グッチョの記事を書くことは、自分にとって地域福祉の実践

秋山:以前は、取材対象者が話した通りに記事を書いてましたが、いい意味で、だんだん言葉にルーズになってきたように感じます。グッチョ40号の座談会で「フトシさんは言った通りに書かないよね」と言われました。それは、取材対象者が言わんとすることやその背景にある思いを、改めてストーリーとして組み立てなおした方が彼らが喜んでくれると分かったからです。いつの間にか、読者に向けて書いていた記事が、取材対象者が喜んでくれるのが嬉しくて書くようになりました。それは僕の中での大きな変化です。以前、「グッチョ自体にケアの側面があるね」と言われたことがありますが、グッチョの記事を書くことは、僕にとって地域福祉の実践に繋がっていったと感じます。
古賀:久留米市や社会福祉協議会が対峙している現場で起きていることは計り知れないと思います。これからのグッチョは、秋山さんの話にある、日常の地続き感という視点やそれぞれの立場での視点を織り交ぜて、記事を書いていけたらいいなと思っています。

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秋山:取材で大事にしていたのは、「この活動のここに惹かれた」という点をしっかりもつことです。なぜ取り上げたのか、自分なりの視点をもちながら取材を行うようにしていました。今後は、それぞれの取材者の視点を表現していくのが、グッチョらしさにつながると思います。その人らしさは大切にして欲しいですね。

グッチョはただのコラムじゃない

淵上:以前、私が記事を担当した時も、グッチョがあったから取材対象者の方に話を聞くことが出来ましたし、その後、記事をお届けしたら、「よかったよ」と言っていただけました。また、グッチョを読んだ人が取材対象者の方に「見たよ」と声をかけて、そこで交流が生まれることもあります。グッチョは、地域に入っていくときの手段でもあるし、地域の方々にそこで起こっていることを知ってもらうための手段でもあります。グッチョは、ただのコラムじゃなくて、コミュニケーションの手段だと思います。

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月田:取材対象者は、どういう視点で見つけているんですか?
秋山:まずは周りの人の動きを見たり、ヒアリングするところから始めています。そのうち「何かある」と思う瞬間があります。例えば、料理人や美容師など、地域の中でプロフェッショナルに活動されている人が、その領域以外のことをやっている。その領域の外の部分が他の領域との懸け橋になっている。その領域を超えて起こることこそが、重要なことだと感じます。
おきな:秋山さんは、地域福祉に関わっていないと思っている人たちから、地域福祉の視点で話を引き出すのが上手ですよね。
秋山:僕は、時々、久留米市が策定している、くるめ支え合うプランに立ち返ります。その中に、13の取組み項目があって、「この人には何かある」と思った時に、「支え合うプランゴーグル」で、その人にある何かを探し出すようにしていました。そこで僕が大事にしていたのは、支え合うプランの取組み項目から、取材対象者を探さないという点です。そこだけは絶対に守っていました。
藤岡:僕もグッチョは読んでいたので、秋山さんのお話から想いが伝わってきました。私も地域福祉は世の中すべての幸せにつながっていると信じていますし、秋山さんは、日常の中で自分の琴線に触れたことを記事にしていったのだと感じました。だからこそ、グッチョの記事は、時間をかけて向き合う必要があると思います。
おきな:新生グッチョは、まず、ここにいる実行委員会メンバーが記事を書いていくことになると思います。今後は、ここにいる人だけでなく、団体に所属している方々にも書いていただき、輪が広がっていくといいですね。

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左から池田さん(AU)、秋山さん(市)、川嶋さん(AU)、古賀さん(AU)、月田さん(AU)、おきなさん(AU)、藤岡さん(社協)、淵上さん(市)、川上さん(社協)

記事:月田尚子 写真:甲斐裕二 / 久留米AU-formal 実行委員会

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